ACL法(肛門クッション吊り上げ術)

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従来の手術のように患部を切り取らず、吊り上げて元の位置に戻す治療法です。
そのため、見た目もきれいに仕上がりますし、肛門機能を温存でき、術後の疼痛も少なくなっています。

肛門クッションとは?

肛門は、括約筋という筋肉があり、便やガスが無意識に漏れないようになっています。しかし、これだけは不十分であるため、肛門の出口から、数cmのところに、肛門クッションと呼ばれる隆起した部分が存在しております。肛門クッションは、血管が集まってできており、括約筋と同様に、便やガスが漏れるのを防ぎます。例えると、肛門クッションは水道の蛇口についているパッキンのようなものです。 しかし、いぼ痔になり、排便時に強くいきんだり、肛門に負担をかけてしまうと、肛門クッションも腫れてしまい、ずれ落ちてしまいます。このずれ落ちたものが、痔核と呼ばれるものです。

通常

kusyon1

痔核の状態

kusyon2

機能温存と完治性を両立させた肛門クッション吊り上げ術

ACL肛門は、排便するだけでなく、ガスと便を区別してガスだけ出したり、下痢(液体)状の便を漏らさないようにするなど多様な機能を持っています。こうした機能が損なわれると、日常生活の中でいろいろな不便や支障が起こってしまいます。痔は命にかかわる病気ではなく良性疾患ですから、その治療にはこうした機能の温存と完治性の両立が求められます。
痔核の治療でこれまで行われてきた結紮切除(けっさつせつじょ)は患部を切り取ってしまう手術です。今でも一般的にはこの結紮切除を行うことが多いのですが、切除するということは完治を望めても機能を温存できない可能性があり、肛門が狭くなる肛門狭窄も起きやすくなっています。痔を治しても肛門狭窄があればスムーズな排便ができず、痔の再発リスクが高まります。また、見た目の美しさも損なわれる手術だと言えます。

ACL法(肛門クッション吊り上げ術)=では、痔核を剥離して吊り上げ、元の位置で固定します。切除を行わないため、機能を温存するだけでなく、肛門狭窄といった術後の機能障害も起こりませんし、見た目もきれいに仕上がります。吊り上げて戻した痔核は自然に正常な状態に回復しますが、痔核が大きい場合にはジオン注射を併用します。その結果、根治性が高まり、再発のリスクをさらに抑えられます。

特徴1肛門機能を損ないません

痔は良性疾患ですから、治療では機能を温存することがとても重要になってきます。この治療法では、肛門に必要なクッションを切り取らず元に戻すことで、機能を損なうことなく治療可能です。

特徴2見た目もきれいな肛門形成手術です

肛門クッション吊り上げ術は、痔核組織を内括約筋から剥離し、適正な位置に吊り上げて内括約筋に吸収糸で縫合固定します。美容的にも優れた繊細な形成手術です。

特徴3術後の機能障害もありません

従来の切り取る手術では術後に肛門が狭くなる肛門狭窄などの機能障害が起こる可能性がありますが、この治療法は切り取らないのでこうしたことは起こりません。

特徴4術後の疼痛が少なく、日帰り手術が可能です

術後の疼痛が少ないため、日帰り手術で肛門クッション吊り上げ術を受けることが可能です。

肛門クッション吊り上げ術であるACL法とジオン注射による内痔核硬化療法(ALTA療法)のふたつを組み合わせてよりよい治療を

低侵襲性

できるだけ切り取らない手術を実現
より広い範囲にできるだけ切り取らない手術を実現しています。

痛みを軽減

切除せず痛みが少ないACL法に加え、注射のみのジオン注射でさらに痛みを軽減しています。

日帰り手術が可能です

ACL法とジオン注射を組み合わせた手術を日帰りで受けることが可能です。

ジオン注射(ALTA療法)のみ

内痔成分だけが認められる場合にはジオン注射(ALTA療法)を単独で行うことが多いです。

ACL法

ジオン注射(ALTA療法)だけでは治癒が見込めない内外痔核に対して行います。

ACL法とジオン注射(ALTA療法)

通常、痔は1か所だけではありません。どの患者さんも平均して3個の痔をお持ちです。そのうち、内痔核のみの病変にはジオン注射(ALTA療法)を行い、内外痔核の病変にはACL法を行います。このようにひとつの肛門内で治療法を組み合わせて行います。全周性の内外痔核においては、ACL法を全周性に施行いたします。また、ACL法で吊り上げた後に同部に対してジオン注射(ALTA療法)を追加することで、より吊り上げた部分を強固にする工夫も行っております。

ACL法の手順

手順1剥離

痔核と括約筋を離します。ACL法では、痔核を切除する必要がありません。tejun1

手順2吊り上げ

括約筋から剥離した痔核を、肛門クッションが本来ある位置を憶測し、その位置まで吊り上げます。tejun2

手順3縫合

肛門クッションを吊り上げたら、その位置で縫合します。この時、抜糸をしないで済むように、時間が経過すると自然と体内に吸収される特殊な素材の糸を使います。tejun3

手順4回復

肛門クッションは徐々に正常な状態に戻っていきます。tejun4

手順5ジオン注射を併用する場合

ACL法にジオン注射を追加することで、より強固に固定されます。tejun5

症例1

Before

手術例

After

手術例

症例2

術前

術前

術直後

術直後

術後2週半

術後2週半

手術費用について

いぼ痔の手術は健康保険が適用されます。
症状などにより費用は異なってきますので、目安の金額をご紹介します。
3割負担の場合の費用です。

手術内容 手術費用
ACL法(肛門クッション吊り上げ術) 約40,000円
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